６月９日（水）命のほのぼの教育・母の味と私
週明けに軽く腹をこわした。
子供のころおなかをこわすと母が病人食を作ってくれた。
三度の食事のほか、おやつにすったりんご、食後は白湯など、タイミングよく寝床の私を構ってくれた。
おかげで私は自分用の病人食はいくらでも思いつくし、回復のプロセスごとにメニューを変えていくこともできる。
今回も１日だけ会社を休んだあと、朝食用に母が用意してくれたメニューを思い出して買い物しておいた。
かなり回復してきたので、学校に行き始める日の朝、という設定である。
しかしだ。あまりにも回復したので私はこの買い物のことを失念し、ふつうにめしと味噌汁とつけものを食ってのっしのっしと出社してしまった。
しかたがないので翌日病人食を食った。食えるかー！ 何がカステラじゃバナナじゃ！ 何が「低脂肪高蛋白で滋養を」じゃ、朝から甘いちゅーねん！ ちゃんと47歳向けのメニューにし
てんかおばちゃん！ ＞わし
６月８日（火）７日の日記と私＞これだけ見たら「いかにも同級生を殺しそうな子供」ですな。
おーい。これ違う。
詩は全文が公開されている。それを見るといろいろな命がムダに奪われていることに気づいてほしいという内容で、むしろ文部科学省のだれかの言った「命の教育」のテキストに使えそうな詩だ。
私が言いたかったことには影響ないが、不注意だった。申し訳ない。
トーチュウもほんとは全文目にしていたはずだ。私がしたような「誤解」を狙って論評なしで引いたのだろう。
「スポーツ紙が時事問題まで載せる必要があるのか問題」だが、こうやって紛らわしい引き方をしたり、イラクで３人誘拐されたときのように一般紙の使わない刺激の強い写真を１面にしたりして、
ちゃんとスポーツ紙らしさを出しているからいいのか。よくないけど。
６月７日（月）迷惑な報道と私
余談から入る。
スポーツ新聞なのに１面がイラクだったり社会面があったりするのが不思議でならんが、スポーツ新聞だけ読んでいてもOKなようにやってるのだろう。
本来は朝日や日経を読んで上品ぶっていればいい中年女の私がスポーツ紙ファンの世界ににしゃしゃり出て「あたくしたち、イラク問題はクォリティペーパーで考えるざーますから、
あなたがたの１面は野球になさいな」なんて言うのはおかどちがいかもしれん。が、正統派スポーツ紙ファンは１面がスポーツでもギャンブルでもない日があっても許容しているのだろうか。
さて閑話休題。
東京中日スポーツは６月６日付けで佐世保の同級生殺人事件について、加害者がWebサイトに載せた詩の一部を論評なしで、引用をしている。
「苦汁（原文ママ）、絶望、苦しみが私を支配する」「神様はいるのですか…助けてください（『嘆きの賛美歌』）」
これだけ見たら「いかにも同級生を殺しそうな子供」ですな。親や教師はこの追い詰められた言葉に気づかなかったのか…なんていう記事、すぐ書けるよ。
詩の読み書きは小学生で教わるのだが、これの最大の弊害は「詩とは自分に起きたこと、自分自身の気持ちを言語化するもの」という
思い込みを与えることだ。
大部分の人間はその後詩の勉強などせぬまま大人になり死ぬので、こういう記事を見て「この子供はこんなことを考えていたのか」という解釈をするのだろう。
いや、学校に出すものならともかく、ノートや交換日記（Webサイトはそれの代替に過ぎない）に書く詩なんて創作ですってば。心にもないことは書かないにしても、
少なくとも人目を惹く部分は、ちょっと背伸びしてかっこつけてるんだっての。
詩というのは極端に言えばカタチのものであり、調子や流れを整えるために、おさだまりの表現をパズルの一片のようにはめて仕上げることなどいくらでもあるのだ。とくに語彙や理屈のパターンの少ない若いうちはね。
そんなの真に受けてどうするのだ。
でもこの事件で、本好きとか、交換日記や創作をやる子供を持つ親、あるいは教師は、さぞかしあせってどんなものを書いているのかチェックするんだろうなあ。
迷惑だなあ。
それがどんなに恥ずかしく屈辱的なことかわかるだろうか。「詩というのは創作であって」と説明できる子供がどれぐらいいるだろう。だって相手は学校で「詩は自分の気持ちを書くもの」と教わっているのだ。
まして交換日記など相手のあるものを特定の子供の親が見たとなったら、その子供は仲間に面目が立たない。
あと加害者がバトルロワイヤルみたいな（子供が殺しあう、という意味なのか？）小説を書いていたことが衝撃を与えているらしいが。
まずあの小説のこと知らないのにそんなの書いたら「ちょっとそれは」と思うが、読んで影響されて書いたのならごくありふれたことだろう。
宮崎勤の事件のときから思うことだが、問題はオタクだったことではなく人を殺意もって殺したことだろうに。
「それにしても人を殺すような小説を…」ってか？ そりゃそういう内容になるだろ。小学校高学年ぐらいでお話を作る子供が書くものは、たいてい人が死んだり殺されたりするよ。
それじたいを何かの警告のように見ることが有効だとは思えない。
お話を盛り上げるテクニックなんてまだないのだから、とりあえず死なせてしまうのだよ。
お話を書く人間はだれだって面白いものを書きたい。しかし才能、経験値、あるいは時間がないとき、だれもが安直な手段に走る。
大人のプロでも同じだ。
昭和50年代に劇場用アニメーションが儲かるようになって、登場人物に思い入れをさせておいて死なせて「感動作」とうたう安直な作品が量産された。それ感動じゃなくて動揺だろ！ とアニメファンの私でも思った。
今思うと量産体制を維持するためだったんだな。
やたら人が死ぬ物語を書かせたくなかったら、教えるべきなのは「命の大切さ」ではなく「物語を面白くする方法」だ。
それでも未成年の凶悪犯罪というのは、昨年も起きた子供の殺人事件のときにも長々と書いたがとにかく魅力的
（たしか箇条書きで３つの魅力が挙げられていた。って自分が挙げたんだが）なので、これからも全国報道され続けるのだろう。未成年の凶悪犯罪は増えていないのに、その報道だけは増えていく。
６月４日（金）右脳と左脳と私
右脳と左脳の働きには違いや差があるという説は、世間では大枠で信じられているのだろうか。
これまでも「右脳左脳って信じなきゃいけないもの？」と何度か不安になったんだよね。
だけど、医学的説明を求めていくと「有意な差はないので『脳の右半分と左半分』の機能の違いは議論に値しない」となるんで、「やっぱりなぁ」「みんなが右脳左脳好きなのは、私が血液型性格診断大好きなのと似たようなものだろう、単なる好みの違いだろう」と安心してたのだが。
健康雑誌でも平気で「この運動は左脳によい」とやってるの見ているうちに、何だか混乱して右脳左脳がかきまぜられるような気分になってきた。
余談。
（たとえ有意なものでなくても）差があるという根拠は、脳を損傷したときに生じる障害から逆算して言っている。
つまり○○ができる、得意だ、という話ではなく、○○ができない、という話なんだな、これ。
余談オワリ。
まあそれはいいとして←敵前逃亡。
なぜ「右脳・左脳」の話は（私以外の人にとって）魅力的なんだろう。
血液型性格診断は好きな人・嫌いな人・無関心な人がいるが、それでもたいていの人は自分が何型か知っている。
西洋占星術なんか生まれたとたんに何座なのか決まってるし。
いっぽう「右脳が発達しているか、左脳なのか、両方か」なんてことを自分で知っている人はまずいないだろう。なんとなく「私、左脳が発達してるのかも」と思う人はいても。
そのへんの、猶予があるかんじが神秘的でいいのかな。
あと、たいていは他人からの評価だってとこもいいのかも。
「東山さん（仮名）は若くて美人だし、どんな曲も感覚的にぐいぐい覚えてこなしていく。きっと右脳が発達しているのね」なんて言われたら気分悪くないですものね（一部に不適切な表現がございました。ご了承ください）。
そこに「いえ、私は左脳が発達しているんです、ほら」なんて診断書出されるという無粋なオチもないわけだし。
６月３日（木）特異な事件と私先日の同級生殺人について。
事情聴取段階で出てきた言葉を見る限り、これ個人どうしの人間関係のトラブルなんだから「命の大切さ」教育が行き届いていなかったとか何とか学校や親を責めることじゃないだろうし、もちろんネットのせいではなくネットがなかったらほかのことでケンカしてるんだよな。
あえていうが、こういう不幸で痛ましくはあるが特異な事件には、他人やマスコミ、まして行政はいつまでも引きずられず
すべてを当事者にまかせ、次にいったほうがいろんな人が迷惑しなくていいと思うのだ。
もう10年ぐらいずっと言われている「ネットはどんな人が来るかわからないから、まだ抵抗手段や判断力に乏しい子供には使用の制限を加えるべきだ」というのはそのとおりだが、今回の事件は知っている人が来ているからトラブルになったのだ。問題は分けないと関係ないところに迷惑が及ぶ。
６月２日（水）橋田夫妻と私イラクで殺された２ジャーナリストのうち、橋田信介さんは出国直前にTBSラジオに
生出演していろいろ話してくれた。
そのとき、あの３人とその家族へのバッシングをやんわりと非難したうえ、バグダッドで３人の解放を知ったときに同胞からこういうときは家族が「いじめられる」
ときき、あわてて幸子夫人に連絡をとり、そういうことになったら会見で何を言うつもりか確認した由を明かしていた。
テレビで会見した幸子夫人は
「冷静で毅然としていて、人質の家族とは大違い！」というほめられ方をしているが、彼女はバッシングがなかったらしないですんだ我慢を強いられていることは間違いない。
なお夫人に連絡をとった話はTBSラジオの『大沢悠里のゆうゆうワイド』公式サイトで公開されている。
日替わりで大沢悠里と組む女性のうち、この日の西村知江子アナは何に対してもあまり意見を述べず、述べるときはむしろ安直な保守派というかんじなのに、この日だけははっきりと人質バッシングやイラク派兵に批判的であったのが印象に残っている。
ていうか４人殺されて３人誘拐されてるんですけど、犯人は追わないんですか。
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